雑節(ざっせつ)
日本人が作り出した季節の移り変わりを表す言葉があります。『雑節』の一つ「節分」は、『雑節』とは知らずに恒例行事になっている人も多いはず。ここでは、おもな『雑節』をご紹介します。
雑節ってなに?
季節の移り変わりを掴むための特別な暦日のことだよ
中国で作られた「二十四節気」とは別に、日本の気候や暮らしの中から生まれた日本独自の季節の変化の目安となってきたものです。おもに農作業を行う人々の知恵や経験から生まれているようです。
節分(せつぶん)
2月3日頃
立春の前日。もともとは“季節の分かれ目”を意味し、「立夏・立秋・立冬の前日」も節分とされていた。そして、特に年の分かれ目である立春の前日の「節分」には邪気が入りやすいと考えられ、豆まきも、新年を迎えるための邪気祓いのひとつ。
彼岸(ひがん)
3月20日・9月22日頃
春分・秋分を中日とし、前後3日間をあわせた7日間のこと。「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉があり、彼岸を迎えると暑さ寒さが和らいでくるといわれる。
八十八夜(はちじゅうはちや)
5月2日頃
立春から数えて88日目のこと。春から夏へ変わるころで、種まきや茶摘みも始まる季節。
入梅(にゅうばい)
6月11日頃
暦の上で梅雨に入るころ。このころは梅が実る季節のため、名前に「梅」が入っている。
半夏生(はんげしょう)
7月2日頃
夏至から数えて11日目にあたる。梅雨も明けるころで、田植えを終わらせる目安の日。
土用(どよう)
7月19日~8月6日頃
立春、立夏、立秋、立冬前の約18日間を土用という。その中でも、立秋の前の「土用」の間の「丑(うし)の日」にうなぎを食べる風習がある。
二百十日(にひゃくとおか)
9月1日頃
立春から数えて210日目。台風がやって来る厄日といわれる。稲の開花期にあたり、台風や災害から稲を守るため、警戒の目印にした日とされる。
おもしろ
豆知識
半夏生の日に食べられる食べ物は地域でさまざま
関西地方では、“タコ”。由来は、田植え後の苗がタコの足のようにしっかりと根をつけるようにとの願いを込めてとされています。さらに、香川県では、“うどん“。半夏生のころは麦の刈り入れが終わるころでもあり、農作業の労をねぎらうためにうどんを振舞ったことが由来のようです。 福井県(大野市を中心とした地域)では、一匹丸ごと焼いた“焼き鯖”を食べるという風習があります。はじまりは江戸時代。田植えを終え、疲れた体を癒して夏を乗り切るために、大野藩主が農民に食べることを推奨したことが由来とされます。今では、夏バテ予防のスタミナ食として県内中で食べられています。