旧暦(きゅうれき)
カレンダーには、旧暦が記載されているものもあります。新暦となっている今、日常に旧暦を意識する場面はあまりないかもしれませんが、旧暦について知ることで、かつての季節の移ろいや風情を現代でも意識してみると、暮らしが少し豊かになるかもしれませんね。
旧暦ってどんなもの?
「旧暦」は「太陰太陽暦」のことだよ
暦には大きく分けて、月の満ち欠けをもとにした「太陰暦」、月と太陽の運行の両方を取り入れた「太陰太陽暦」、太陽の運行をもとにした「太陽暦」がありましたね。(詳しくはカレンダーのはじまりへ)
日本で「太陽暦(グレゴリオ暦)」が採用されたのは、明治6年。それまでは、「太陰太陽暦」を長い間使っていました。そこで、新しく採用された「太陽暦」を「新暦」、古い「太陰太陽暦」を「旧暦」と呼ぶようになりました。
月と太陽の運行の両方を取り入れた「旧暦」は、閏月の約1か月がどの季節に入るかで、その年の季候と季節感が、大体一致したといわれています。
睦月、如月…どうしてこんな呼び方をするの?
旧暦の季節や行事に合わせた由来があるんだよ
旧暦には、日本ならではの風情ある月の呼び名があります。これを『和風月明(わふうげつめい)」と呼んでいます。これは旧暦の季節や行事に合わせたものなので、現在の季節感とはずれがありますが、和風月名の意味や由来の一部をご紹介します。(由来は諸説あり)
1月睦月(むつき)
正月に家族や親戚一同が集まる、仲睦まじい月。
2月如月(きさらぎ)
衣更着(きさらぎ)とも。まだ肌寒さが残っていて、衣を重ね着する(更に着る)月。
3月弥生(やよい)
暖かくなって草木が生い茂るという意味の「弥生(いやおい)」からといわれる。
4月卯月(うづき)
卯の花の咲く時期からといわれる。
5月皐月(さつき)
早月(さつき)とも書く。早苗(さなえ)を植える月。「皐」という字には水田という意味がある。
6月水無月(みなづき、みなつき)
田植えが終わり、田に水を張る月の意味といわれる。
7月文月(ふみづき、ふづき)
稲の穂が実ることを意味する「穂含月(ほふみづき)」からといわれる。
8月葉月(はづき、はつき)
このころは秋にあたり、木々の葉が落ちる月「葉落月(はおちづき)」からといわれる。
9月長月(ながつき、ながづき)
秋の夜長を意味する「夜長月(よながづき)」からといわれる。
10月神無月(かんなづき)
全国の神々が出雲大社に集まり、日本各地で神々が留守になる月と考えられ「神無月」といわれた。
11月霜月(しもつき)
霜の降る月という意味。
12月師走(しわす)
年末で忙しく、師匠といえども走り回る月。