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十二直(じゅうにちょく)

その日の吉凶を占う暦注(暦に記載されている日付以外の情報)の一つ『十二直』。現代のカレンダーではあまり見かけることはなく、十二直入りのカレンダーは開運カレンダーなどごくわずかですが、昭和初期まではとても重要視された暦注でした。

十二直ってなに?

北斗七星の動きで一日の吉凶を占うものだよ

十二直は、中国の北斗七星信仰に由来した、一日の吉凶を占う暦注です。古代中国では、北斗七星の柄杓の指す向きが違うことから、それぞれの方角に十二支を割り当て、吉凶判断を行うようになりました。
十二直は吉凶を占うものとして広く人々の信仰を集め、昭和初期までは六曜よりも重視されていました。江戸時代の頃の吉凶判断はとても複雑だったようですが、現代では解釈が単純化されて分かりやすい暦注となっています。
十二直には、以下の12個の名称と意味があり、順番に循環しています。

十二直の名前と意味と吉凶

1 建(たつ) 万物を建て生じる日 よろず大吉にして、神仏祭り、婚姻、開店、柱立て、上棟、金銭納め、穀物収納、新しい服の着はじめ等は吉。ただし土を動かすこと、蔵開きは凶。
2 除(のぞく) 障害を取り除く日 種蒔き、井戸掘り、治療開始等は吉。ただし婚礼事、夫婦交合等は凶。
3 満(みつ) すべてが満たされる日 家造り、婚姻、その他祝い事、移転、旅行、開店、種蒔き等は大吉。
4 平(たいら) 物事が平らかになる日 よろず大吉。
5 定(さだん) 善悪が定まる日 開店、結婚、移転、種蒔きは吉。旅行、訴訟は凶。
6 執(とる) 執り行う日 家造り、転居、祝い事、種蒔き、収穫は吉。ただし金銭の出入りは凶。
7 破(やぶる) 物事を突破する日 訴訟事は吉。ただし神祭り、約束事の取り決めは凶。
8 危(あやぶ) 物事を危惧する日 万事危うき日。旅行、登山、船旅は慎むのがよい。
9 成(なる) 物事が成就する日 新規事、建築、開店は吉。ただし訴訟、談判は凶。
10 納(おさん) 物事を納め入れる日 万事収納は吉にして、収穫、商品購入は吉。
11 開(ひらく) 開き通じる日 入学、開業、井戸掘り、移転、結婚、建築等は吉。ただし葬式等の不浄事は凶。
12 閉(とづ) 閉じ込める日 穴塞ぎ、金銭出納、墓造りは吉。ただし開店、開業は凶。

出典:『十二支読本』稲田義行(創元社)

具体的にどうやって占うの?

節月の最初の、月と同じ十二支の日に「建」を割り当て、以下順番に割り振っていくよ

十二直は1月、2月といった通常の1ヶ月ではなく、二十四節気を12等分する節月によって配当されます。
例えば、正月節(立春から啓蟄の前日まで)の十二支は寅なので、正月節の最初の寅の日を「建」とし、次の日以降順番に「除」「満」…となります。二月節の十二支は卯なので、二月節の最初の卯の日を「建」とし、次の日以降「除」「満」と続きます。

二十四節気と節月と十二支

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