教えて!めくろう君

1.カレンダーのはじまり

私たちの生活の中に当たり前にあるカレンダー。無くてはならないそのカレンダーが、いつからあり、どんな歴史があるかご存知ですか?カレンダーのはじまりである「暦(こよみ)」の歴史をみていきましょう。

そもそも暦ってなに?いつからあるの?

暦は季節の移り変わりを知る“ものさし”なんだよ

暦とは、時間の流れを、年、月、週、日という区切りに当てはめて体系付けたもので、時間のものさしとも言えるでしょう。その始まりは古代エジプトと言われ、日本には6世紀から7世紀はじめごろに中国から伝わり、日本最初の暦が作られたといわれています。この当時の暦が『太陰太陽暦』と呼ばれるもの。その後、明治政府によって西洋の制度が導入され、『太陽暦』へと変わりました。そして、この『太陽暦』が、現在私たちが使う暦につながっています。

日本の最初の暦、『太陰太陽暦』ってどんなもの?

太陰=月。太陽と月を基にした暦ってことだね

『太陰太陽暦』が使われるようになる前に、『太陰暦』という月の満ち欠けをもとに作られた暦がありました。新月から月が満ちて、満月になり、また欠けていくまでを1ヶ月として、12ヶ月を1年とする。この1ヶ月は約29.5日になります。この場合、1年が354日。年を追うごとに日づけと季節がずれていってしまいます。それを解消するために作られたのが『太陰太陽暦』。これは月の満ち欠けと太陽の運行の両方を基準にした暦。2~3年に1度、「閏月」(うるうづき)という「月」をつくり、1年を13ヶ月とする年(閏年)を設けることで暦と季節のずれを調整しました。

どうしてそのまま『太陰太陽暦』が続かなかったの?

太陰太陽暦も使い続けるうちにズレてきてしまったんだ

太陰太陽暦は1000年以上は続きました。ただ、「閏月」を足して調整しても、足す時期が地域によって違ったので、冬が長い時期があったり、夏が長い時期があったりしました。そこで登場したのが『太陽暦』。日本では明治6年に『太陽暦』に改暦されました。『太陽暦』は、地球が太陽の周りを1周する日数を基準にした暦のことです。太陽の周りを地球が回るのは1年で365日。ずれが出ても、4年でほぼ1日のずれ。このずれを補正するために「閏日」があり、これが今でも採用している閏年で、今のカレンダーのはじまりになります。

このころから、今みたいなカレンダーがあったの?

昭和20年以降に今のようなカレンダーの形になっていったよ

明治時代の「こよみ」は小冊子の形をとったものが主流で、始めは暦屋の団体である頒暦商社、明治16年からは伊勢の神宮司庁しか発行が認めらていませんでした。明治時代中頃から1枚刷りの引札略暦が大流行。日めくりは旧暦も併記され、美しい台紙に広告が入ったもので、中小商店や会社、銀行などが大量に作り、人々に配布されました。現在、主流になっているカラー写真の月めくりカレンダーが流通するようになったのは、昭和20年以降になります。

※引札略暦とは…現在の広告用チラシを古くは引札と呼び、暦の付いている引札を引札暦と称しました。略暦は、本暦から日常生活に関する部分だけを抜き出して作った簡略な暦のこと。

おもしろ
豆知識

改暦を急いで、経費削減!?

1000年以上も続いた『太陰太陽暦』を『太陽暦』へ改暦。これを明治政府はかなり強引に、20日程度で行おうとしました。急いで改暦をした理由は、表向きは欧米の暦とのずれを解消することとされていますが、実は経費削減のためだったのではという説もあります。『太陰太陽暦』のままでは、明治6年に閏月という13番目の月があり、公務員(官吏)の給料を月給制にしていた明治政府にとって、1か月余計に給料を出さなければいけませんでした。『太陽暦』を採用することで給料を節約でき、都合がよかったためともいわれています。

カレンダーの語源は、金銭出納簿!?

古代ローマでは、税金や賃貸料の支払い、利益の計算や利息の支払いが毎月の初めの日に行われていました。その決算を行う時に帳簿を使うのが、朔日(ついたち)、ラテン語で「calendae」の時だったので、そこから「帳簿」を意味する「calendarium」という言葉が生まれました。そして、今の暦を意味する英語の「calendar」に発展したといわれています。

曜日の並び順はどうやって決まったの?

曜日の名前は、惑星と太陽と月の名前に由来しています。
太陽は日曜日、月が月曜日、火星が火曜日、水星が水曜日、木星が木曜日、金星が金曜日、土星が土曜日からといわれています。
古代エジプトでは、惑星が時間と空間を支配すると考えられていました。それも地球から遠い土星、木星、火星、太陽、金星、水星、月という順で。そして、すでに1日は24時間という概念があり、1時間ごとにこの順番で星を当てはめました。たとえば、第1日の第1時間目(0:00~1:00)に土星、次の1時間に木星…というように割り振っていきます。このうち、1時の星がその日を支配すると考えていたようで、1時の星だけを抜き出したのが土日月火水木金という順番になります。

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