2026.01.23 up

暮らしを彩る 日本の色 vol.1あたたかな花がくれた色

聴き馴染みのあるものから、初めて耳にするようなものまで、日本には多くの色があります。

 

草花や生き物、大地や空、暮らしの道具など、その名は、私たちの暮らしを囲むさまざまなものから生まれています。

長い歴史の中で、人々は色を繊細に見つめ、ひとつひとつの色に美しい呼び名をつけてきました。

 

このコーナーでは、そんな日本の色の中からいくつかをピックアップし、由来別に紹介していきます。

第1回となる今回のテーマは「あたたかな花がくれた色」。

 

色の名前を知ることで、毎日が少し色鮮やかに見えてくるかもしれません。

 

 

 

 

桃色

桃色

 

桃の花のような、愛らしいピンク。

古代の色名では桃のことを「つき」と読み、日本書紀には「桃染布(つきそめぬの)」、万葉集には「桃花褐(つきそめ)」という言葉が登場するなど、古くから親しまれてきた歴史のある色です。

「桃色」という名前が使われるようになったのは室町時代から。明るく華やかなピンクは、見ているだけで気持ちまで明るくしてくれそうです。

 

 

 

紅梅色

紅梅色

 

早春に咲く紅梅の花に由来する、ほのかに紫みを含んだピンク。

紅梅色は紅花を染料にして染めることで表現されますが、その濃さによって「濃紅梅」「中紅梅」「淡紅梅」など、さらに細かく呼び分けられてきました。

寒さの残る季節に凛と花を咲かせる紅梅の姿と重なり、紅梅色からは、やわらかさの中にもどこか芯の強さが感じられます。

 

 

 

桜色

桜色

 

桜の花のような、ほんのりと淡いピンク。少量の紅花で染められる、紅染めの中でも最も淡い色です。

日本の国花でもある桜は、花見の季節になると人々の心を浮き立たせ、咲き誇る景色は日本の原風景として親しまれてきました。

日本らしい春を思わせる、やわらかく明るい桜色からは、安らぎと希望が感じられます。

 

 

 

躑躅色

躑躅色

 

躑躅(つつじ)の花に由来する、紫みを帯びた濃く鮮やかなピンク。

春から初夏にかけて、白や赤、オレンジ、紫など多彩な花色を見せますが、野山一面を染める華やかなピンクこそが、躑躅の印象的な姿です。

「躑躅色」という色名は平安時代から使われており、古くから親しまれてきました。

はっと目を引くその鮮やかさから、前向きなエネルギーをもらえそうです。

 

 

 

菜の花色

菜の花色

 

春の訪れを告げる、あたり一面に広がる菜の花畑。その花の色に由来する、わずかに緑みを帯びた明るく鮮やかな黄色です。

江戸時代、菜種油が日常の必需品だったことから「菜種油色(なたねゆいろ)」と呼ばれる緑がかった濁った黄色が先に生まれ、花の色と区別するために、後から「菜の花色」という名が生まれました。

春の気配をまっすぐに伝える眩しい色合いが、心まで軽やかにしてくれそうです。

 

 

 

山吹色

山吹色

 

春の終わりを彩る山吹の花のような、赤みのある鮮やかな黄色。季節の移ろいをくっきりと印象づける、エネルギッシュな色です。

平安時代から使われてきた色名で、江戸時代には大判・小判の色を指す「黄金色(こがねいろ)」とも呼ばれていました。

小学校の絵の具セットの1色として親しまれてきた山吹色ですが、最近は入っていないことも多く、ふと懐かしさを誘う色でもあります。

 

 

 

萱草色

萱草色

 

ユリ科のカンゾウの花に由来する、黄みを帯びた明るい橙色。

カンゾウの花は一日でしぼんでしまうこと、また「忘れ草」とも呼ばれ、死別の悲しみを忘れさせてくれると考えられていたことから、平安時代の宮廷では喪の色として用いられました。少し意外な一面を持つ色ですが、はかないからこそ際立つ美しさが、この色には宿っているような気がします。

 


 

いかがでしたか?
今回は、暖色系の花の色を由来とした色の名前をいくつかご紹介しました。
春になれば、さまざまな花が咲き、色とりどりの景色が広がります。
外に出た際には、花の色に目を向けて、その豊かさを楽しんでみてください。

 

<参考>

「日本の色図鑑」(マイルスタッフ)

「色の名前と言葉の辞典888」(東京書籍)

「日本の伝統色」(ピエ・ブックス)

「日本の傳統色」(京都書院)

 

※掲載している色は、モニタ画面上での表示をもとにした目安です。表示環境によって、実際の色味とは異なる場合があります。

 

 

 

カレンダーで日本の色を楽しもう!

 

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