2025.11.01 up

福よ こいこい 縁起物 <11月>

日本には暮らしに根付いた「縁起物」がたくさんあります。

 

長い歴史の中で人々は、五穀豊穣、長寿、無病息災、商売繁盛、家内安全など、さまざまな願いや祈りを込めて「縁起が良い」とされるものを食し、飾り、身につけ、暮らしてきました。

その思いは今も大切に受け継がれています。

 

このコーナーでは、毎月季節にちなんだ「縁起物」をご紹介。

招福開運を願って、気軽に暮らしに取り入れてみてくださいね!

 

 

 

 

11月の縁起物① 熊手

 

熊手

 

秋の深まりとともに、各地で「酉の市(とりのいち)」が開かれる季節になりました。

 

酉の市は、毎年11月の酉の日に行われる、開運招福・商売繁盛を願うお祭りです。特に東京浅草の鷲神社(おおとりじんじゃ)のものが有名です。
もともとは江戸時代に、秋の実りに感謝し神様に鶏を奉納する行事でしたが、年々にぎやかになり、今の形の酉の市へと発展していきました。

 

酉の市といえば「縁起熊手」。境内にずらりと並ぶ色とりどりの熊手は、この時期ならではの賑やかな光景です。

 

熊手とは、“熊の手”のような形をした落ち葉かきの農具。その形から、福や財産をかき集める縁起物として親しまれるようになりました。

江戸時代には商人たちが商売繁盛を願って熊手を買い求めるようになり、その風習が今も続いています。

 

熊手を彩る飾りにも、小判や米俵、鯛など縁起物のモチーフがたくさん使われており、「たくさんの福を集めたい」という人々の願いが込められています。

 

熊手を買うときは「昨年より少し大きなものを選ぶ」と吉といわれ、商売繁盛の願掛けになります。飾るときは目線より上に置き、神棚がなければ福を呼ぶとされる玄関に飾るのがおすすめです。

 

年の終わりに向けて気持ちを整えるこの時期、福を呼ぶ願いを込めて、にぎやかな酉の市を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

11月の縁起物② 千歳飴

 

千歳飴

 

11月15日は七五三。神社では晴れ着を着た子どもたちの姿が見られ、千歳飴を手に笑顔を見せる様子はほほえましい光景です。

 

七五三に欠かせないアイテムといえば、紅白の飴「千歳飴」。子どもの長寿を願って「千年」「長い年月」を意味する「千歳」という名前が付けられた、七五三の縁起物です。

 

江戸時代、浅草寺の飴売が「千年飴」という名前の紅白の飴を売り出したのが始まりといわれていますが、起源には諸説があります。長くて細い形には「細く長く、健やかに成長してほしい」という願いが込められています。

 

また、千歳飴の袋にも注目。鶴や亀、松竹梅など、古くから縁起が良いとされる絵柄が描かれています。これらはいずれも「長寿」や「繁栄」の象徴で、子どもの幸せな未来を願う親の気持ちが袋にも表れています。

 

その長さゆえ、大人でも食べるのが少し大変。小さな子どもには危険もあるので、適切な長さに切って楽しみましょう。

縁起物なので、みんなで分け合い、家族の長寿を願いたいものですね。

 

 

千歳飴

 

千歳飴を子どもと一緒に作ってみるのも、七五三の素敵な思い出になります。

 

千歳飴の詳しい作り方はこちらをチェック!

 

今ではミルク味やフルーツ味など、味のバリエーションも増えましたが、千歳飴に込められた願いは昔も今も変わりません。

七五三の日には、そんな由来を思い浮かべながら、家族の幸せを願ってみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

11月の縁起物③ イチョウ

 

イチョウ

 

街路樹が少しずつ黄金色に染まりはじめると、秋の深まりを感じます。

鮮やかに色づくイチョウ並木や、一面に広がる落ち葉の黄色い絨毯は、この季節ならではの景色です。

 

身近な街路樹や神社の御神木としてもよく見かけるイチョウですが、実は「生きた化石」といわれるほど歴史の古い植物。祖先はなんと2億年以上も前から存在していたのだそうです。

 

そんなイチョウが縁起物とされる理由はたくさんあります。

 

まず、長い歴史と樹齢の長さから「長寿の象徴」とされ、扇のような形の葉は「末広がり」として繁栄や発展を意味します。

さらに、耐火性があることから生命力の強い木としても知られています。

 

また、イチョウは雄株と雌株の両方がそろわないと実をつけないため、「良縁」や「家族円満」の象徴ともいわれています。食卓に並ぶ銀杏料理をいただくときは、そんな願いを込めてみるのも素敵ですね。

 

さらに、黄金色に輝くイチョウの葉は金運にも恵まれるといわれています。

こうして見ると、身近なイチョウも驚くほど縁起の良い木に感じられますね。

 

拾った落ち葉は、ガーランドやしおりなどにして暮らしに秋を取り入れるのもおすすめです。

 

落ち葉ガーランドの作り方はこちらをチェック!

季節を感じるインテリア。落ち葉ガーランドを作ってみよう[親子のための今月のRemind]

読みもの

季節を感じるインテリア。落ち葉ガーランドを作ってみよう[親子のための今月のRemind]

2021.11.24 up

秋が深まり、冬の足音が近づいています。寒いと外に出るのもおっくうになってしまいますが、気温が低くなったからこそ見られるの…

秋が深まり、冬の足音が近づいています。寒いと外に出るのもおっくうになってしまいますが、気温が低くなったからこそ見られるの…

 

落ち葉のしおりの作り方はこちらをチェック!

 

 

落ち葉で作ったしおりやコースター

 

この時期は、通勤やお出かけの途中で少し足を止めて、きらめくイチョウ並木を眺めてみてください。

鮮やかな黄色の葉が、小さな幸運を運んでくれるかもしれません。

 

 


 

古くから大切にされてきた日本の縁起物。

意識して暮らしに取り入れてみれば、なんでもない一日もちょっぴり楽しくなるかも?

 

縁起物のある暮らしで、どんどん福を呼び込みましょう♪

この記事をシェアする