2025.10.01 up

福よ こいこい 縁起物 <10月>

日本には暮らしに根付いた「縁起物」がたくさんあります。

 

長い歴史の中で人々は、五穀豊穣、長寿、無病息災、商売繁盛、家内安全など、さまざまな願いや祈りを込めて「縁起が良い」とされるものを食し、飾り、身につけ、暮らしてきました。

その思いは今も大切に受け継がれています。

 

このコーナーでは、毎月季節にちなんだ「縁起物」をご紹介。

招福開運を願って、気軽に暮らしに取り入れてみてくださいね!

 

 

 

 

10月の縁起物① 月見団子

 

月見団子

 

澄んだ夜空に美しい月がくっきりと浮かぶ季節。2025年の「十五夜」は106日です。

 

十五夜の月見のならわしは、唐の時代に中国から伝わり、平安時代には宮中で月見の宴が開かれるようになりました。

その後武士や農民にも広がり、収穫した秋の作物を月にお供えして実りに感謝する習慣と結びついていったといいます。

 

さて、そんなお月見に欠かせないのが、ころんと白い姿が愛らしい月見団子。

秋の収穫に感謝して翌年の豊作を祈るお供えもので、丸い形は満月を現しています。

団子を里芋のような形にして、あんこを乗せる地域もあるのだそう。

 

もともと、稲作信仰の日本において米は神聖な食べ物。

その米を使った餅や団子は、おめでたい席やお供えものに使われてきました。月見団子もその一つ。

月を形どった団子をいただくことで、月の神聖な力を取り込み、1年の健康と幸せを願う意味も込められています。

 

また、地域によっては、縁側などに供えた月見団子を子どもたちが盗み食いしても許され、たくさん盗まれた方が縁起が良い盗まれた家は豊作になるという習慣があるところも。

日本版ハロウィンのようで面白いですね。

 

月見団子は、三方に奉書紙を敷いて団子を十五個並べ、正面を月の出る方角に向けてお供えするのが基本です。

とはいえ、地域によって形や並べ方は異なるため、形に囚われすぎずに自由に我が家らしくお月見を楽しめばよいのではないでしょうか。

 

スーパーや和菓子店で手軽に買える月見団子。おうちで手作りしてみるのも楽しいものです。

 

月見団子の詳しい作り方はこちらをチェック!

[今月のRemind 9月編] 親子で作って楽しみたい、月見団子の作り方

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[今月のRemind 9月編] 親子で作って楽しみたい、月見団子の作り方

2021.09.21 up

9月21日は旧暦の8月15日(2021年の場合)、十五夜です。 秋は比較的空気が乾燥しているため月がきれいに見え、十五夜…

9月21日は旧暦の8月15日(2021年の場合)、十五夜です。 秋は比較的空気が乾燥しているため月がきれいに見え、十五夜…

 

秋の夜、家族みんなで空を見上げながら、目でも舌でもお月見を楽しみたいですね。

 

 

 

 

10月の縁起物② すすき

 

すすき

 

月見のお供えものとして月見団子と並んで欠かせないのが「すすき」。

風にそよぐ姿はどこか涼やかで、秋の風情を感じさせてくれます。

 

すすきは稲穂に似ていることから、稲穂に見立て、豊穣をもたらす月の神様のよりしろとしてお月見に供えられるようになったといわれています。

時期的にも稲刈り前に稲穂を飾るのは難しいため、身近で手に入るすすきがその役割を担ってきたのだとか。

 

また、すすきは鋭い葉が特徴。

その鋭さから魔除けになるとも信じられてきました。

お月見の後に供えたすすきを軒先に吊るしておくと、1年間無病で過ごせるともいわれています。

 

インテリアとしても人気があるすすきは、ドライフラワーやフラワーアレンジメントにもよく取り入れられています。

お月見の時だけでなく、普段からもおしゃれなフラワーベースなどにさして飾れば、昔ながらの縁起を暮らしに添えつつ、秋らしいインテリアも楽しめそうですね。

 

すすき

 

 

 

 

10月の縁起物③ 栗

 

栗

 

ほっくりとした甘さがたまらない秋の味覚。

栗を使ったモンブランスイーツは毎年大人気です。この時期を楽しみに待っていたという方も多いかもしれませんね。

 

さて、そんな栗ですが、縄文時代の遺跡から栗の木や実が発見されるほど、古くから日本人の暮らしに寄り添ってきた食べ物です。

保存性が高く栄養も豊富だったため、人々の大切なエネルギー源でした。

また、耐久性があるため、食用だけでなく建築用の材木にも用いられていました。

 

縁起物としても栗はよく登場します。

茹でて乾燥させた栗を、臼でついて殻と渋皮を取り除いたものを「搗栗(かちぐり)」といい、その響きが転じて「勝ち栗」となり、武士の間では勝負事の縁起担ぎとして栗が重宝されたといいます。

また、おせち料理に入っている「栗きんとん」も、黄金色の見た目から金運や勝負運を願う縁起の良い料理とされています。

触るとチクチク痛いイガには、魔除けの意味があるとも。

 

巷で人気のモンブランや栗スイーツ以外にも、栗ご飯や焼き栗などシンプルな食べ方でも秋の恵みをしっかり堪能できます。

この秋は、ゲン担ぎしながら旬の味覚を味わってみてはいかがでしょうか。

 


 

古くから大切にされてきた日本の縁起物。

意識して暮らしに取り入れてみれば、なんでもない一日もちょっぴり楽しくなるかも?

 

縁起物のある暮らしで、どんどん福を呼び込みましょう♪

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