2022.09.20 up

カレンダーができるまで vol.5 ーカレンダーに名入れをしよう!ー

365の大切な今日を、暮らしの中でそっと教えてくれるカレンダー。

 

お気に入りのカレンダーと過ごす毎日は、暮らしにちょっぴり楽しさや華やかさを与えてくれます。

 

たった12枚の紙かもしれませんが、そこには暦に関する深い歴史と英知、正確な暦情報を人々に届けるために奮闘するカレンダー会社の企業努力が詰まっています。

 

そんなカレンダーがどうやって作られているのか、ちょっと気になりませんか?

そこで、このサイトの案内人「めくろう君」が、名入れカレンダーをメインに製造・販売するカレンダー会社「株式会社にしばた」に潜入してレポートしちゃいます!

 

レポートは全6回の予定。カレンダーができるまでの道のりを一緒にお楽しみください♪

 

 

index

  1. カレンダーができるまで vol.1 ーどんなカレンダーを作る?ー
  2. カレンダーができるまで vol.2 ー正確なカレンダーを作るためにー
  3. カレンダーができるまで vol.3 ーいざ、カレンダー製造工場へ!前編ー
  4. カレンダーができるまで vol.4 ーいざ、カレンダー製造工場へ!後編ー
  5. カレンダーができるまで vol.5 ーカレンダーに名入れをしよう!ー
  6. カレンダーができるまで vol.6 ーカレンダーをお客様のもとへー

 

 

 

 

“名入れ”という付加価値

 

こんにちは!Calendia案内人のめくろうです。前回はカレンダーの製造工場から、丁合と製本についてお届けしたよ。

めくろう調査員

 

前回のレポートはこちら!

 

前回のレポートでカレンダーは完成したわけだけど、株式会社にしばたのカレンダー作りはここで終わりじゃないんだよ。

(むしろ、ここからが真骨頂!)

 

次の「名入れ」の工程では、社名や電話番号といった企業情報を、完成したカレンダーの上から印刷します。

 

にしばたの名入れ印刷機の保有台数や生産能力は、なんと業界トップクラスなんだって!

 

販促グッズとしてのカレンダーの価値を高めてくれる“名入れ印刷”について、詳しくレポートするね!

 

 

 

 

名入れ用の製版

 

名入れ印刷をするためには、まず版が必要。

名入れ用のデータを作って版の出力までを担当しているのが、カレンダーの企画やデザインも行なっている製版課です。

 

データ作成や製版を行う製版課の様子はこちらのレポートをチェック!

 

名入れカレンダーならではの工夫などを、製版課の村上さん(レポートのvol.1とvol.2にも登場!)に聞いてみよう!

 

ー名入れのデータを作るときはどんなところに気をつけているの?

 

(村上さん)

お客様が目立たせたいものはなんなのか、それをどんな優先順位でどのように強調させるかを常に考えています。文字を太くしたりフォントを変えたりしながらメリハリをつけ、パッと見た時に目立つように気を配っていますね。

名入れのスペースは限られているので、その中でどれだけうまく目立たせられるか、カレンダー全体のバランスも大切にしています。

 

カレンダーの名入れ

 

ー繁忙期はどのくらい大変なの?

 

(村上さん)

全国からカレンダーの名入れ注文が入るにしばたでは6〜7月頃から受注が増えはじめ、1シーズンの受注件数は約60,000件、多い日は1日で1,000件近くの製版を行うこともあります。繁忙期に入る前にできるだけ事前準備を進め、DTPソフトでは自動化ツールを効果的に使うなどして、とにかく各工程を効率化するようにしていますね。

データの作成、版の出力・校正・管理など、細かいセクションに分けて担当者をつけ、メンバーみんなで繁忙期を乗り切っています!

 

 

続いて、製版と校正の様子も見せてもらったよ。

 

 

カレンダーの名入れ

 

 

カレンダーの名入れ

 

一枚の版には複数の企業の情報が並んで出力されているので、断裁機を使って1社ごとにカットしてから印刷機にかけるんだね。

 

 

カレンダーの名入れ

 

版のサイズに間違いがないか、原稿通りに出力されているか、版に傷がないかなどを入念に確認して次の工程へ。

 

 

こうやって、名入れ用の製版が行われているんだね。1日で1,000件ってすごい数だな〜!

めくろう調査員

 

 

 

 

名入れ印刷

 

さあ、続いての工程は名入れ印刷!
製版課を出て、また工場にやって来たよ〜!

 

 

カレンダーの名入れ

 

工場に足を踏み入れると、聞こえてくる「ガチャン!ガチャン!」という音。

この音の正体は、SOP印刷機。通称“チャリンコ”と呼ばれているんだって。

 

この工場には57台のSOP印刷機があって、ここで毎日大量の名入れ印刷が行われているよ。

 

ちなみに、チャリンコと呼ばれている理由にはいくつか説があって、音や見た目が自転車に似ているから、という説が有力みたい。

 

 

SOP印刷機

 

では早速、名入れ印刷の様子を見せてもらうことに。

 

 

カレンダーの名入れ

 

製版課から回ってきた版を印刷機にセットします。

 

 

名入れ印刷機

 

どうやって印刷しているのかを簡単に説明すると…

 

印刷ユニットが手前⇄奥と繰り返し動き、その往復の動きの中で、インクを版に乗せ、そのインクをブランケットに転写し、カレンダー用紙に印刷する、という仕組みになっているんだ。

 

一定のリズムで繰り返し動く印刷ユニットにタイミングを合わせて、カレンダー用紙を一枚ずつ手でめくっているんだよ。

 

 

カレンダーの名入れ

 

 

カレンダーの名入れ

 

 

印刷後は1日かけてインクを乾燥させ、これで名入れは完了です!

 

こうやってカレンダーの一枚一枚に名入れが行われているんだね。

ここで、名入れ印刷を担当している人にちょっと話を聞いてみよう!

 

 

カレンダーの名入れ

 

ー普段の業務は?

 

(中井さん)

名入れ印刷を担当する印刷1課で、主に印刷機の指導や業務のマネジメントを行っています。毎年1月から5月までは名入れの注文がほとんどない時期なので、新しく入った技能実習生への研修がメインですね。6月頃からは実習生も本番の印刷をするので、私はそのサポートや検品を行っています。一番忙しくなる8月頃からは、印刷業務のマネジメントに徹します。案件の割り振りを考えたり、特色印刷用のインクを練ったりもしていますね。

 

ー名入れが難しいカレンダーってあるの?

 

(中井さん)
コート紙のカレンダーは上質紙のカレンダーに比べて難しいですね。インクが裏うつりしやすかったり、めくりじわが付きやすかったりします。

 

ーシワをつけずにきれいにめくるのって難しそう…

 

(中井さん)

これは訓練しないとできないですね!初めて名入れ印刷を行う人は、2ヶ月くらいはひたすら用紙をめくる練習をします。紙によっても力加減を調整する必要があり、とにかく何度もやって感覚を身につけます。

 

ー1日どのくらい名入れをするの?

 

(中井さん)

8月から12月上旬くらいまでの繁忙期には、大体1人あたり1日1,000冊程度のカレンダーに名入れをします。大きいサイズのカレンダーはそれなりに重さもあるので、それを何冊も捌くための体力が必要になりますね。

 

ー今後の目標は?

 

(中井さん)

繁忙期を乗り越えるために、効率よく進められる工夫や改善を常に考えていきたいですね。仕事は自分1人でできるものではないので、みんなが気持ちよくしっかりと仕事ができるようマネジメントして、みんなでいいものを作っていきたいと思っています。

 

中井さんのマネジメントがにしばたの高い生産力を支えているんだね!中井さん、ありがとうございました!

めくろう調査員

 

 

カレンダーの名入れ

 

 

こうやってついに完成した名入れカレンダー。あとは梱包や発送を残すのみ!

 

というわけで、次回はいよいよこのレポートの最終回。名入れカレンダーがお客様の元に届くまでを詳しく紹介します!お楽しみに〜♪

 

 

めくろう君が取材したのはこちら!
株式会社にしばた https://nishibata.net

 

 

次のレポートはこちら!

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