2026.03.30 up

暮らしを彩る 日本の色 vol.3 季節を辿る、葉の色

聴き馴染みのあるものから、初めて耳にするようなものまで、日本には多くの色があります。

 

草花や生き物、大地や空、暮らしの道具など、その名は、私たちの暮らしを囲むさまざまなものから生まれています。

長い歴史の中で、人々は色を繊細に見つめ、ひとつひとつの色に美しい呼び名をつけてきました。

 

このコーナーでは、そんな日本の色の中からいくつかをピックアップし、由来別に紹介していきます。

3回となる今回のテーマは「季節を辿る、葉の色」。

 

色の名前を知ることで、毎日が少し色鮮やかに見えてくるかもしれません。

 

 

 

 

若葉色

若葉色

 

明治以降に登場した、初夏の日差しに映える、みずみずしい木々の葉の色。
似た色に「若菜色」や「若草色」もありますが、若葉色は、成長した若菜が若草を経て、さらに育った頃の青みが増した色とされています。
やわらかな黄緑が清々しく、爽やかな風を運んでくるような、気持ちまで明るくなる色です。

 

 

 

常磐色

常磐色

 

松や杉など、一年を通して緑を保つ常緑樹の葉に由来する、力強い緑色。

冬でも葉を落とさない木々は「常磐木(ときわぎ)」とも呼ばれ、その名が色名のもとになっています。

永久不変を表す縁起のよい意味も持ち、時が経っても色あせない、揺るぎない印象を感じさせます。

 

 

 

柳色

柳色

 

春先の柳の葉に見られる、やわらかな黄緑色。

ほんのりとくすみを含んだ、落ち着きのある色合いです。

日本で柳といえばシダレヤナギを指し、怪談に登場することも多いことから、どこかミステリアスな印象もあります。

色名としては平安時代から使われてきました。

春の緑をやさしく映す色合いに、しとやかな趣が感じられます。

 

 

 

裏葉色

裏葉色

 

葉の裏側に見られる、白みを帯びたやわらかな黄緑色。

細かな産毛に覆われていることが多く、表面よりも白く、少しくすんだ印象に見えます。

葉の裏側に着目した色名はめずらしく、日本人の繊細な感性が現れているよう。

落ち着きのあるやさしい色合いに、静かな上品さが漂います。

 

 

 

松葉色

松葉色

 

松の葉の色に由来する、くすんだ深い黄緑色。重厚さを感じさせる色です。

常緑樹の中でも松は神聖なものとされ、古くから年中行事や祝いの場に用いられてきた植物です。

松にちなんだ色名はほかにもありますが、いずれも吉色とされてきました。

深みのある緑に、静かな風格が滲んでいます。

 

 

 

紅葉色

紅葉色

 

紅葉のように秋に色づく、黄みを帯びた鮮やかな赤色。

晩秋の楓の葉を思わせる、深みと華やかさをあわせ持つ色です。

「青紅葉」や「黄紅葉」、「初紅葉」など、さまざまな関連色があることからも、紅葉の美しさが古くから親しまれてきたことがうかがえます。

また、襲(かさね)の色目では、表を赤、裏を濃赤とした配色を「紅葉」と呼びました。

季節の深まりが静かに宿る、葉の色としては数少ない赤系の色あいです。

 

 

 

朽葉色

朽葉色

 

地面に積もり朽ちた葉の色を思わせる、鈍い黄赤色。

朽葉色には「青朽葉」「赤朽葉」「黄朽葉」「濃朽葉」「薄朽葉」など多くのバリエーションがあり、「朽葉四十八色」といわれるほど細やかに呼び分けられてきました。

江戸時代には同系統の色が「〜茶」として表されることが多くなりますが、平安時代は茶は薬として扱われており、庶民には馴染みがなく、色名としては広く用いられていませんでした。

落ち着いた深みがあり、移ろいゆく季節のはかなさを感じさせます。

 

 

 


 

いかがでしたか。

今回は、葉に由来する色の名前をいくつかご紹介しました。

葉の色は、エネルギッシュな若葉から、哀愁を帯びた紅葉や朽葉へと移ろい、さまざまな表情を見せてくれます。

日々の中でふと目にする葉の色に、季節の移ろいを感じてみてください。

 

<参考>

「日本の色図鑑」(マイルスタッフ)

「色の名前と言葉の辞典888」(東京書籍)

「日本の伝統色」(ピエ・ブックス)

「日本の傳統色」(京都書院)

 

※掲載している色は、モニタ画面上での表示をもとにした目安です。表示環境によって、実際の色味とは異なる場合があります。

 

 

 

カレンダーで日本の色を楽しもう!

 

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