2026.08.31 up

暮らしを彩る 日本の色 vol.8 日本の食文化を映す、おいしい色

聴き馴染みのあるものから、初めて耳にするようなものまで、日本には多くの色があります。

 

草花や生き物、大地や空、暮らしの道具など、その名は、私たちの暮らしを囲むさまざまなものから生まれています。

長い歴史の中で、人々は色を繊細に見つめ、ひとつひとつの色に美しい呼び名をつけてきました。

 

このコーナーでは、そんな日本の色の中からいくつかをピックアップし、由来別に紹介していきます。

第8回となる今回のテーマは「日本の食文化を映す、おいしい色」。

日本の伝統色には身近な食べ物から名付けられた色もあります。今回はその後編として、蕎麦や羊羹など、日本らしさのある料理や調味料に由来する色を取り上げます。

 

色の名前を知ることで、毎日が少し色鮮やかに見えてくるかもしれません。

 

 

 

 

蕎麦切色

蕎麦切色 

 

蕎麦切りのような、わずかに緑みを帯びた明るい灰色。
「蕎麦切り」とは、現在一般的に「蕎麦」と呼ばれている、細く切って食べる日本蕎麦のこと。

蕎麦の実を挽いた粉から作られ、そば打ちなど、独自の食文化も育まれてきました。
白とも灰色ともつかない、素材そのものの素朴な風合いを感じさせる、飾らない美しさがあります。

 

 

 

飴色

飴色

 

日本で古くから作られてきた麦芽水飴の色に由来する、くすみのある深い橙色。
ほんのり茶色を含み、つややかで深みのある色合いです。
時間を重ねた革製品や木製品を「飴色」と表現したり、玉ねぎをじっくり炒めることを「飴色になるまで炒める」と表現したりするなど、暮らしにも馴染みがあります。

 

 

 

羊羹色

羊羹色

 

羊羹のような、赤みを帯びた深い茶色。鈍い黒を表す場合もあります。
江戸時代から使われている色名で、黒や紫に染めた布が時を経て色褪せると、羊羹のような赤紫みを帯びた色になったことから名付けられたといわれています。
時間とともに少しずつ表情を変えた色だからこそ、どこか味わい深く、落ち着いた趣を感じさせます。

 

 

 

芥子色

芥子色

 

和辛子(わがらし)のような、少し鈍い濃い黄色。鮮やかすぎない、やわらかい色合いです。
和辛子は、カラシナの種子を粉末にした香辛料。
辛子色という色名が生まれたのは近代以降といわれていますが、和芥子は奈良時代にはすでに日本で使われていたとされています。
ピリッとした刺激が料理のアクセントになるように、控えめながら印象に残る色です。

 

 

 

山葵色

山葵色

 

すりおろした山葵(わさび)のような、やわらかくくすんだ黄緑色。

抹茶色よりも少し鈍く、穏やかな印象を持つ色です。
清流のほとりで育つ山葵は、地下茎をすりおろすと、みずみずしい黄緑色が現れます。

古くから日本の食卓で使われてきた食材ですが、色名ができたのは近年なんだとか。
つんとした辛味を思わせながらも、どこか穏やかで爽やかさも感じさせる色です。

 

 

 

 


 

いかがでしたか。

今回は、日本らしさのある食べ物に由来する色の名前をご紹介しました。
昔から日本の食卓を彩ってきたものには、それぞれの味わいや風景を思わせる色があります。
身近な食べ物の色にも目を向けてみると、いつもの食卓が少し違って見えてくるかもしれません。

 

<参考>

「色の名前と言葉の辞典888」(東京書籍)

「日本の伝統色」(ピエ・ブックス)

「和の色手帖」(グラフィック社)

「新版 色の手帖」(小学館)

「日本の色図鑑」(マイルスタッフ)

「色の名前」(角川書店)

 

※掲載している色は、モニタ画面上での表示をもとにした目安です。表示環境によって、実際の色味とは異なる場合があります。

 

 

 

カレンダーで日本の色を楽しもう!

 

ハーモニーカラーデスク(KASANEの色目)

ハーモニーカラーデスク(KASANEの色目)

お買いもの

ハーモニーカラーデスク(KASANEの色目)

¥1,045(税込)

シンプルで使いやすいカレンダーをベースに、襲(かさね)の色目といわれる日本ならではの伝統配色をアクセントに取り入れたカレンダー。

シンプルで使いやすいカレンダーをベースに、襲(かさね)の色目といわれる日本ならではの伝統配色をアクセントに取り入れたカレンダー。

日本ならではの伝統配色である「かさねの色目」をアクセントに取り入れたカレンダー。

 

色彩暦(二十四節気入)

色彩暦(二十四節気入)

お買いもの

色彩暦(二十四節気入)

¥1,265(税込)

四季の移り変わりと共にある二十四節気、方位や時間、日々の吉凶を示す六曜など、日本の暦は365日、1日1日がそれぞれの意味を持っています。1日の大切さと四季折々の暮らしの節目を、暦の中で感じてください。12ヵ月のイメージを12色で伝える、使いやすいカレンダーです。

四季の移り変わりと共にある二十四節気、方位や時間、日々の吉凶を示す六曜など、日本の暦は365日、1日1日がそれぞれの意味を持っています。1日の大切さと四季折々の暮らしの節目を、暦の中で感じてください。12ヵ月のイメージを12色で伝える、使いやすいカレンダーです。

一年を色彩豊かに彩る二十四節気入りカレンダー。四季をイメージした落ち着いたトーンの12色。

この記事をシェアする