2020.11.23 up

[今月のRemind 11月編] 全ての働く人に感謝を。勤労感謝の日の由来とは?

11月23日は、働くことを喜び生産を祝って感謝し合う国民の祝日、勤労感謝の日です。平成から令和になり天皇誕生日が12月23日から2月23日になったことで、勤労感謝の日が年内最後の祝日となりますので、有意義に過ごしたいですね。また、11月23日は新嘗祭(にいなめさい)という祭儀が執り行われる日でもあります。

さて、労働は1年中ありますがなぜ11月23日が勤労感謝の日なのでしょうか。11月23日が勤労感謝の日となった理由には、新嘗祭を含む日本の農耕文化が深く関わっているのです。

 

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2020.11.01 up

秋が深まりいよいよ寒さも本格的になってきた11月。今年もあと2か月となりました。紅葉も見頃でまだまだ秋を楽しみたいところ…

秋が深まりいよいよ寒さも本格的になってきた11月。今年もあと2か月となりました。紅葉も見頃でまだまだ秋を楽しみたいところ…

 

 

そもそも新嘗祭って何?

新嘗祭とは、飛鳥時代から伝えられ現在でも皇室で行われている祭儀です。天皇がその年に収穫された新穀を神前に供え、神様と一緒に食して収穫に感謝し、翌年の豊作を祈ります。「新嘗」の「新」は新穀、「嘗」は「饗(あえ)」が変化した語でご馳走を表していると言われています。旧暦では11月の第二の卯の日に行われていましたが、明治6年に改暦され11月23日に定められました。

国家行事であった新嘗祭は宮中および全国の神社で行われ、かつては、この日に天皇陛下が新米を食すまで一般家庭では新米を食べないという習慣もありました。稲作で発展してきた日本人にとっては、とても重要な祭儀だったと言えます。

 

 

新嘗祭と勤労感謝の日

新嘗祭が明治6年以降11月23日と定められたことは先述しました。勤労感謝の日と深い関係がありそうですね。もう少し詳しく見ていきましょう。

 

日本にはかつて、祝日と祭日が設けられていました。祭日とは、皇室の重要な儀式や祭典が執り行われる日であり、国民もそれに伴い休日となっていました。しかし戦後、GHQは天皇や神道に関する祭日を排除することに決め、祭日は無くなり、代わりに国民の祝日が定められます。飛鳥時代から長く続く大事な祭日であった新嘗祭は、ここで「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」ことを趣旨とした「勤労感謝の日」となるのです。皇室祭祀との公的関係が無くなり、名前も「勤労感謝の日」と変わってしまいましたが、新嘗祭の祭儀そのものは今でも皇室に残っており、毎年行われています。新嘗祭はそれだけ重要な祭儀だということですね。

ちなみに、祝日を月曜日に移動するハッピーマンデー制度がありますが、勤労感謝の日は適用されません。勤労感謝の日が新嘗祭から引き継がれた祝日であり、皇室の重要な祭儀が行われる日であるならば、それも納得ですね。

 

 

勤労感謝の日に何しよう?

現代においては、秋の収穫に感謝もしつつ、「勤労感謝」ということで自分や周囲の人の日々の労働をお互いに労いたいものです。「いつもありがとう」と、家族やお世話になっている人に改めて感謝の言葉を伝えてみましょう。また、家族で外食に出かけたり普段よりちょっと豪華なご馳走を用意したりしてもいいですし、自分のためのご褒美として欲しかったものを購入したり、美容室や温泉などで自分を癒してあげたりするのもいいですね。また明日から頑張って働くためのモチベーションアップにもなります。

 

 

勤労感謝の日は、もともとは収穫に感謝し翌年の豊作を祈る新嘗祭でした。新嘗祭だった頃を含めると、日本で一番長く続いている休日だそうです。なんとなく過ごしていた祝日も、由来や意味を知ると、一日一日が特別な日だと感じられます。全ての働く人に感謝をしながら、今日という一日の意味を感じて丁寧に過ごしてみたいですね。

 

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