2021.07.26 up

[今月のRemind 7月編] 暑い夏を少しでも快適に。涼を感じる暮らしのコツ

梅雨もあけ、いよいよ夏本番!ギラギラと照りつける太陽や入道雲、セミの泣き声など、夏らしさ全開でワクワクしますよね。とはいえ、容赦無く体力を奪う連日のこの暑さ。エアコンを使いすぎて、来月の電気代が不安になっている方もいるのではないでしょうか。

 

気候も住環境も一昔前とは大きく違い、昔ながらの涼を感じる暮らしだけではもうしのぎきれない最近の暑さ。しかし電力不足も問題視されている今、エアコンだけに頼る前にできることはないか、今一度考えてみることも大切です。

昔からある暮らしの知恵を上手に取り入れ、節電もしながらかしこく夏を乗り切りたいですね。

 

7月のカレンダーはこちら。

[今月のRemind]  7月のカレンダー

読みもの

[今月のRemind] 7月のカレンダー

2021.07.01 up

本格的な夏ももうすぐそこ。花火にプール、海水浴など夏ならではのイベントが楽しみな7月になりました。夏をめいっぱい楽しむた…

本格的な夏ももうすぐそこ。花火にプール、海水浴など夏ならではのイベントが楽しみな7月になりました。夏をめいっぱい楽しむた…

 

 

昔ながらの涼しく暮らすコツ

 

昔ながらの涼しく暮らすコツ

 

 

日差しをかしこくカット!「すだれ、よしず」

部屋の温度を上げる熱源は、窓から入る日差しによるもの。この日差しを遮り、窓に熱を当てないだけでも部屋の温度はかなり変わってきます。そんな時に活用したいのが、日本の伝統的なすだれやよしず。天然素材が見た目にも涼しく、日本の夏らしさを感じさせます。

 

すだれは軒に吊るして、よしずは外壁や窓に立てかけて使用します。どちらも屋外に設置することで、太陽の熱を遮りながらも、風はしっかりと通してくれます。

屋外から室内はあまり見えませんが、室内からはほどよく外が見えるので、目隠しとしても効果的。すだれは15cmほど窓から離して軒下に吊るしましょう。

 

 

意外と侮れない「打ち水」

ひと昔前は、どの家庭でも当たり前の光景だった打ち水。玄関先や庭、道路に水を撒くことで、水が蒸発するときに周囲の熱を奪い(気化熱)、1〜3度は気温が下がり涼しくなります。また地面の温度差により空気が流れるので、風も感じられます。

最近では、自治体などが主宰して、住民が一斉に打ち水をするイベントなども行われています。

 

打ち水は暑い時に行うと、水蒸気が発生して体感温度が上がってしまうので、午後の暑い時間は避け、早朝か日没後に行うのが効果的。マンション住まいの人もベランダに水を撒くだけで効果があります。

夏場は水不足が問題になることもあるので、できれば雨水や風呂の残り湯を使いましょう。

 

 

今こそ見直したい「蚊帳」

天井からメッシュ状の生地を吊るし、その中で寝ると虫除けになり安眠できるという蚊帳。虫は通しませんが、風はしっかり通してくれます。素材はナイロンや綿、麻などがありますが、湿気を逃す性質がある純麻製がおすすめ。電力も殺虫剤も要らないという点がエコですね。空間をゆるやかに仕切ってくれるのも魅力の一つです。

現代ではすっかり見ることはなくなった蚊帳ですが、環境問題への高まりからじわじわとその価値が見直されてきており、ワンタッチで設置できるものやインテリアとして使用できるものなど、現代風にアレンジされたものも販売されています。

 

 

安眠するなら「寝ござ・そばがら枕」

寝ござは、敷いて寝る一畳ほどのござ。床の上に敷いたり敷布団の上に敷いたりして使用します。い草は綿の約3倍の吸湿力があり、寝汗を吸い取ってくれるので、蒸れずに涼しさを保ちながら寝ることができます。い草の独特の香りも夏らしく、リラックス効果があります。

 

そばがら枕は、通気性と吸湿性の高い「そばがら」が頭の熱を逃し、冷やしてくれます。夏場の安眠まくらとして昔から使われてきました。

20〜30分程度の昼寝は、暑さで消耗する体力の回復に効果的と言われています。天然素材の寝具で昼寝をすると、夏バテ予防にもなりそうですね。

 

 

一石二鳥の「グリーンカーテン」

よしずの代わりに、植物を生育させて日除けにするグリーンカーテン。昔から夏を涼しく過ごすために行われていましたが、省エネの観点から最近また注目を浴びています。

植物はゴーヤや朝顔がまずは簡単でおすすめ。植物は蒸散する水分で周囲の温度を下げる働きがあり、遮熱だけでなく継続的に温度上昇を抑制をしてくれます。

きゅうりやゴーヤなど実も食べられる植物をグリーンカーテンにすると、涼しいだけでなく食用もできて一石二鳥ですね。

 

 

 

風情を感じる小物も取り入れて

 

風情を感じる小物も取り入れて

 

蚊取り線香

口から蚊取り線香の煙を吐く蚊遣りぶたの姿。これぞ日本の夏!というイメージがありますよね。蚊取り線香といえばあの独特な匂い。これは除虫菊という殺虫成分のある植物によるもので、この匂いに懐かしさを感じる人も多いかもしれません。

最近ではフルーツやハーブの香りを楽しめるアロマタイプの蚊取り線香もあり、入れ物も現代的におしゃれに進化したものが出回っています。インテリアの一つとして楽しんでもいいですね。

 

風鈴

軒下に吊るしてその音色で涼をとる、風鈴。その歴史は古く、室町時代からあるのだそう。

ガラス、鉄器、陶器など素材は様々で、地域ごとに伝統のものもあります。

吊るすだけでは音はならず、風が吹かないと音はなりません。窓辺に吊るして窓をあけ、風を通して、涼しさを運ぶ音色を楽しみたいですね。

大きな音ではないにしても、鳴りっぱなしだと近所迷惑になることも。ご近所への配慮も忘れずに。

 

 

うちわ・扇子

手軽に涼を取れるうちわや扇子。うちわは「おもてなし」の道具の一つでもあり、昔は家族用とお客様用を分けて使っている家庭もあったのだそう。

ノベルティでもらうような簡単な作りのものではなく、竹製の骨でしっかりした作りのうちわは、軽く仰ぐだけで強い風を作ることができ、涼しさが全然違います。また、京うちわや江戸うちわ、丸亀うちわなど、地方ごとに伝統的なうちわがあり、それぞれ製法が違うのも興味深いですね。

扇子も、一つカバンに忍ばせておくと外出先などで活躍します。清涼感のあるオイルをたらして爽やかな香りの風を楽しむのもいいですね。

 

 

 

無理せずエアコンも併用して

温暖化の影響で、一昔前に比べて猛暑日は格段に増え、熱中症で緊急搬送される方の数も年々増加傾向にあります。決して無理はせず、エアコンはためらわずに使用してください。

 

とはいえ、夏は電気の供給量が不足気味なので節電も意識したいところ。エアコンは家庭での電力消費の約4分の1を占めるので、電気代にも大きく影響します。少しでも使用を抑えられるよう工夫して、節電・節約をしながらエアコンを使いたいですね。

 

上手なエアコンの使い方

・設定温度を1度上げると、消費電力は約10%カットになります。最適な設定温度は28度と言われていますので、これを目安に。

 

・扇風機やサーキュレーターも併用しましょう。冷気は下に溜まるので、扇風機を上むきに回すと空気が対流して素早く部屋を冷やすことができます。

 

・室外機にも日除けをつけましょう。熱がこもると熱交換が不十分になり、余計な電気代がかかってしまいます。

 

・フィルターが目詰まりすると冷房効率も落ちてしまいます。フィルター掃除は10日に1回程度を目安にこまめに行いましょう。

 

・エアコンは起動時の消費電力が大きく、暑い部屋を冷ますために大きなエネルギーを使います。部屋が涼しくなったら消して、また暑くなったつける、というのを繰り返していると節電にはなりません。

まずはエアコンをつける前に、日差しをブロックするなどして室温をあげない対策をとっておき、エアコンは設定温度を少し高めにして連続運転するようにしましょう。

 

 

 

以上、暑い夏を少しでも快適にする暮らしのコツをご紹介しました。

 

昔の人は様々な工夫をこらしながら暑い夏を乗り切っていました。涼しさはエアコンに敵わないかもしれませんが、五感をフル活用して季節感を大事にしながら過ごすのも趣があっていいものです。

こういった昔ながらの知恵を上手に暮らしに取り入れることは、環境への配慮にもなります。節電・節約も意識しながら、日本ならではの風情を楽しみたいですね。

この記事をシェアする

一覧に戻る