2021.12.16 up

何をやる?どこをやる?年末は子どもも一緒に楽しく大掃除![親子のための今月のRemind]

気がつけば今年ももう残りわずか。クリスマスが過ぎればあっという間にお正月です。

 

江戸時代に使われていた「宣明暦(せんみょうれき)」という暦では、12月13日は何をするにも縁起のいい鬼宿日(きしゅくび)であり、12月最後のこの鬼宿日にお正月準備を始めるという慣しがありました。「正月事始め」といい、正月飾りに使う松を山に採りに行ったり、家族総出で煤払いをしたり。もともとは年神様を迎えるために神棚や仏壇を清めるというものだった煤払いが、やがて年の瀬の大掃除になっていったそう。

 

正月事始めについて、詳しくはこちらの記事へ。

 

さて、現代においても家族の住まいはやっぱり家族みんなできれいにしたいもの。と言っても、子どもがいると何かと大変なことも多いですよね。片付けたそばから散らかしたり、掃除の邪魔をされてしまったり…

 

小さい年齢の子どもには難しい部分もあるかもしれませんが、4、5歳くらいからは手伝えることも増えてきます。年齢に合わせたお手伝いをお願いして、今年は家族みんなで大掃除をしてみませんか?

 

今回は、子どもと一緒に大掃除を行う際のポイントをご紹介します。

 

 

 

保育のプロに聞く!子どもとお掃除

例年、大人が必死に大掃除している間、子どもたちにはテレビを見せたり隅っこで遊ばせていたりと(邪魔されたくなかったので…)、そんな風にして大掃除を乗り切っていた当スタッフ(30代後半)。

日常の家の掃除はお掃除ロボットなこともあり、気がつけば子どもに「家の掃除をする」という経験をほとんどさせていなかったことに気付きました。

 

今年は子どもたちを邪険にしないで、一緒に楽しくやれる大掃除にしたい!と思うものの、果たしてどんなことができるのでしょう。

実際の保育の現場では、何歳くらいから、どんな清掃活動を取り入れているのか?そんなことが気になってきました。

 

ここは子どものプロに話を聞いてみたいところ。ということで、5歳男児の通うこども園の先生にお話を伺いに行ってきました!(お忙しいところありがとうございました!)

 

 

年齢別 できること、やっていること

未満児(主に2歳児)

未満児は遊んだものの片付けがメイン。大きな箱などを用意して「ここに持ってきてねー」というとみんな一生懸命何往復もしながら持ってきてくれるのがとっても可愛いのだそう。

まだまだ掃除という段階ではなさそうです。

 

3歳児

清掃活動の取り組みが少しずつ始まる3歳児。段階を踏んでやれることを増やしていくのだそう。例えば給食中にこぼしてしまった時も、最初はこぼれたことを先生に報告するところから教えていくのだとか。その次の段階で「拭く」ということを教えるそうですが、拭いた後のふきんなどを洗うのはまだまだ先生方の仕事。

 

4歳児

3歳児からステップアップする4歳児は、ふきんや雑巾などを自分で洗うようになります。子どもにはちょっと難しい雑巾の絞り方。最初は苦戦しておにぎりを握るような絞り方でも、子どもながらに「どうするといいのかな?」と研究しながら、絞り方を身に付けていくようです。

 

5歳児

5歳児になると、しっかり清掃活動を行うようになります。給食時の食べこぼしは当番で掃除をし、ふきんや雑巾も自分で洗います。自分のロッカーやお道具箱も、学期末にはきれいに雑巾で拭いて整理整頓するのだそう。

ちりとりやほうきも使うようになります。片手にほうき、もう片手にちりとり、というのはまだ難しいので、まずは二人一組からスタート。5歳にもなると、自発的に掃除をする子どもも出てくるのだそうです。

(※コロナ禍の間は給食時の雑巾の使用は控え、トイレットペーパーや使い捨ての紙ウエスなどでの掃除に切り替えているとのこと)

 

しっかり戦力になってくれそうなのは5歳児くらいからのようですが、3、4歳児でも片付けや拭き掃除を手伝ってもらうことはできそうです。「この机を拭いてね」などまずは小さな範囲を具体的に指示しながら、できることをできないことを見極めて、手伝いをお願いするといいかもしれません。

 

 

子どもにとっての清掃活動のメリット

清掃活動は子どもたちにとってどんなメリットがあるのかも聞いてみました。

 

(先生)

子どもたちは、自分が役に立っていると思えることが嬉しいんです。掃除をすることで、きれいになってみんなが気持ち良くなったとか、お母さんが喜んでくれているとか、そういったことが、自己肯定感を高めることにつながります。

また、最近は家での掃除はお掃除ロボットの家庭も増えていますが、実際に手を動かして雑巾掛けをしたり、ちりとりやほうきをかけたり、そんな経験を積むことも大切です。子どもは実体験を元に力加減や「こうやってやるとこうなるんだ」といったことを学んでいきます。なんでも「やったことがある」というのが大切で、園での清掃活動を通して学べることも大いにあると思っています。

 

なるほど。上手に掃除ができることが重要ではなく、実体験を繰り返す中で加減などを身に付けていくこと、役に立てる自分を実感できることが子どもにとっては大切なんですね。部屋がきれいになったかどうかという結果だけを見ていたことを反省したスタッフでした…。

 

 

効果的な声かけ

どんな声かけをしてあげると良いのかも聞いてみました。

 

(先生)

まずは「きれいになったら気持ちいいね」とか「おもちゃが迷子にならないようにしてあげようね」といった声かけ。これらは、なぜ掃除や片付けをするのか理解してもらうための重要な声かけです。

そして一番重要なのは「ありがとう」ですね。「部屋がきれいになって嬉しいよ、ありがとう」「一緒に掃除してくれて助かったよ」そういった言葉が、子どもたちの自己肯定感を高めます。

5歳児だと、園の中でも自分たちがお兄さんお姉さんの立場だと理解していますので「片付け頼める?できるかな?」と聞くと「ぼくたちに任せて!」とやる気を見せてくれます。そこで「ありがとう!さすが年長さんだね」と声をかけてあげると、子供たちの自信にもなりますね。

 

なるほど、これは家でもぜひ実践していきたい声かけですね。

 

 

 

 

子どもと大掃除をする時のポイント

さて、子どものプロからとてもためになるお話を聞け、大掃除のやる気もみなぎってきました。では、実際に大掃除を行うときにポイントとなる部分をお伝えします。

 

やる気を出す声かけ

先生もおっしゃっていましたが、声かけはとても大切です。「きれいになるって気持ちいい!楽しい!」と思ってもらうことは、今回の大掃除に限らず今後も重要になるところです。「あーそんなのダメダメ!」「もっとこうしてよ!」など否定の言葉は避け、まずは掃除を楽しめるような声かけを。

掃除が完璧でなくても、そこはほどほどで及第点としましょう。どうしても気になるなら、あとで大人が仕上げをしてください。(2度手間なんて言わずに…)

終わった後のねぎらいの言葉もお互いにかけあいたいですね。

 

 

準備物、道具

大掃除をやるぞ!という気分を高めるためにも、そして服を汚したりしないためにも、形を整えることも大切。エプロンをつけ、ホコリが立ちそうな場所はマスクをつけて。

 

道具選びも大切。サイズが合わなくて使いにくいものは子どものやる気も削がれてしまうので、なるべく子どもサイズの道具を揃えてあげましょう。ホウキやちりとりは、デスク用の可愛いものを利用しても。フロアモップなどもミニサイズが売っています。雑巾を扱うのが難しい場合は軍手で代用することもできますが、その際もぜひ子ども用軍手を利用しましょう。

 

 

遊び要素も取り入れて

楽しい!と思ってもらうためには、遊びの要素も取り入れるのも効果的。汚れている箇所、ホコリの溜まっている箇所など掃除の必要なところをたくさん見つけた方が勝ち!とゲーム感覚で掃除場所を探すのもおすすめです。雑巾が真っ黒になった方が勝ち!などもいいですね。状況に応じてぜひ遊び要素も取り入れてみてください。

 

 

 

 

実際に大掃除をやってみた!

いろんなポイントを踏まえ、わが家でも実践!

 

まず、みんなが使うおうちはみんなできれいにするんだよ、と大掃除の必要性を説明。年神様を迎える準備でもありますから、そのことも説明してみました(ピンときていないようでしたが)

 

そして、家の中の汚れているところを探してもらい、どこを掃除するかは自分で決めてもらいました。5歳児は「あそこの窓が汚れてる。やったことないけど窓拭きしてみたい!」、7歳児は「学校でもやってる雑巾がいいかな。窓の下のところ(サッシ)が汚いからあそこを拭こうかな」というので、二人で窓掃除をやってもらうことに。

 

はじめての窓拭き。ピッカピカ!とはいきませんが、本人なりに一生懸命やっています。一つの窓が終わると「つぎはどこの窓やろうかな〜」と頼もしい発言。手の届く窓は一通りやってくれました。大まかにきれいにしたところを大人が仕上げ拭きをしますが、連携プレーのように一緒にできるので、2度手間だとは感じませんでした。

 

7歳児は窓のサッシを担当。真っ黒になる雑巾をみて「うわー汚い!」と叫んでいましたが、何度も雑巾を洗いながら、きれいになるまでしっかりと拭いてくれました。やはり小学生ともなると頼りになります。「頼りになるねー!」と声かけをしてあげると、照れながらも嬉しそうでした。

 

ちなみに、大人はキッチンの換気扇やお風呂場のカビ取り、下駄箱の整理などを行い、終わった後にはみんなでねぎらいの言葉をかけ合いました。子どもたちも「窓きれいになったねー」と自分が掃除をして清々しくなった空間に満足そうです。

 

子どもに完全に任せっぱなしとはまだまだ行きませんでしたが、「子どもはかやの外」ではなく家族全員で大掃除をしたという満足感がすごくありました。年末の大掃除に限らず、これからは日常の掃除も一緒にやる習慣をつけていきたいと思ったスタッフなのでした。

 

 

 

 

さいごに

子どもと一緒に行う大掃除のポイントをご紹介しました。

 

子どもの年齢によってできることは変化していきます。できることから手伝ってもらい大掃除に取り組んでください。毎年続けることで「こんなことを任せられるようになったんだな」なんて、子どもの成長を改めて感じるきっかけにもなるかもしれませんね。

そして、声かけで子どもの自己肯定感を高めるのもお忘れなく。

 

今年は子どもたちも一緒に大掃除を楽しんで、気持ちよく新年を迎えてみませんか?

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